三つの太陽と畑の白いシート
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2018.10.17
太陽の光をたっぷりと浴びたみかんは、甘くてみずみずしい味わいに育ちます。おいしいみかんを育てるには、なんといっても太陽の光が欠かせないのです。西宇和のみかんのおいしさは、まさにこの太陽の光をたっぷりと浴びられる生育環境にあります。
実際に、みかんの木が並ぶ段々畑を歩いてみると、山に沿って開墾されたということもあり、海から山頂まで開けた空間になっています。段々畑を上りながら後ろを振り返ると、遠くに水平線がはっきりと見え、瀬戸内の穏やかな海が太陽に照らされきらきらと輝いています。このように西宇和のみかんは、日の出から日没まで建物などに遮られることなく、太陽の直接の光と海から反射する光を浴びて育ちます。
さらに段々畑特有の急勾配と高い石垣により、みかんの木はお互いの葉が重なりにくく、たくさんの太陽の光を浴びることができます。石垣自体も太陽の光を反射するため、直接太陽の光が届かない葉にも、照り返す太陽の光が注がれています。
太陽の光、海の反射、石垣の照り返し、これらを西宇和のみかんづくりでは「三つの太陽」と呼んでいます。
山頂までつづく段々畑
海と入り江を見下ろすみかん畑
西宇和ではさらなる取り組みとして、三つの太陽をさらに発展させ、マルチシートと園道の反射を加えた「五つの太陽」による、みかんづくりも行っています。
みかんの農園を訪れたことのある方は、木の根元に、白いシートが敷き詰められているのを見たことがあるかもしれません。これはマルチシートと呼ばれるもので、水分の調整や雑草が生えないようにするなど、土壌の環境を整えるために使用されるものです。通常の農業では、黒い色のシートがよく使用されますが、白い色のシートを用いることで、みかんにしっかりと太陽を反射しているのです。
木々を照らすマルチシートと石垣
さらに麓から頂上まで、段々畑から段々畑へと、つづら折りにつながる道そのものも太陽の光を反射し、おいしいみかんの成長を手助けしています。険しい斜面だからこそ、光あふれる地形に、おいしいみかんの秘密が隠されているのです。
取材日 2018年10月上旬