川上共選 木下友人さん
News
2018.10.17
10月初旬、八幡浜市の市街地から南西部に位置する、川上共選(川上選果部会)に所属する木下さんの農園を訪ねてきました。川上地区は、陸部が突き出し、三方を海に囲まれた地形になっています。みかんをつくる段々畑は山の頂上まで続き、まさに「耕して天に至る」壮観な光景です。
木下さんの畑より見上げた空
川上共選 木下友人さん
天皇杯のトロフィー
西宇和みかんについて、川上共選の木下友人さんにお話を聞いてきました。
「川上地区はみかんの産地として100年以上の歴史があります。代々のみかん農家の方の思いや技術を引き継ぎ、熱心にみかんづくりに取り組んだ結果、川上のみかんは平成8年に第35回農林水産祭で天皇杯を受賞させていただきました。甘みと酸味のバランスに、つやつやでピンと張った皮、薄いじょうのう膜(果肉が入っている白い袋)が特徴です。また、厳しい基準をクリアしたみかんの一部は、収穫を遅らせ熟成させることで、いっそう糖度の増した個性的なみかんとしても出荷しています。小太郎や味ピカといった商品で、糖度は約13度以上になります」
天皇杯の他にも、さまざまな賞を受けていますが、その背景には、長い年月を掛けて培われた技術の活用、そしてさらなるおいしさを追求するという、農家の方の工夫がありました。
収穫には少し早い、色付き始めのみかんを試食させていただきました。酸味がまだ強いもののしっかりとした甘みもあり、そこに鮮烈な香りが加わって、食べたことがないみずみずしさでした。
色付き始めたみかん
試食したもぎたてみかん
木下さんは、みかんづくりで大切にしていることを次のように語ってくれました。「私たちのみかんづくりは、ここにしかないという特別な取り組みや設備はありません。とにかく基本の作業を徹底して行うことを心掛けています。みかんは、気温や降水量、台風など気象の影響を受けやすく、日々の管理が欠かせません。私たちは、みかんのことをずっと考えていますよ」
歴史と技術だけではなく農家の方々の情熱も、西宇和みかんのおいしさの秘訣のようです。
取材日 2018年10月上旬