甘やかすと甘くならない
News

みかんの大きな魅力は、なんといってもさっぱりとした甘さですよね。

甘くておいしいみかんは、どのようにして育つのでしょうか?
一般的には、太陽にしっかりと当て、水や栄養をたっぷりと与えると甘くなるイメージがあると思います。しかし実は、みかんは甘やかし過ぎると、かえって甘くならないのです。

みかんの甘みには、果実がつくられる時の水分量が大きく関係しています。
木や果実が成長する時期に水は欠かせませんが、成熟し実をつくる段階になれば、水分が多いと糖が増えず、淡泊な味になってしまいます。

西宇和みかん

意外に思えるかもしれませんが、乾燥させ、適度に水分不足のストレスを与えることで、果汁に含まれる糖が増え、甘いみかんになるのです。
西宇和は、水はけの良い土壌が適度な乾燥状態をつくりやすく、みかんの糖を増やすことに貢献しているのです。

水や栄養を与えれば与えるほど甘くなるのであれば簡単ですが、実際には湿潤にも乾燥にも偏ってはならず、成長段階や土の状態、天候などを考慮して水分の量を調整しなければなりません。
みかん農家の方も、土の表面に白いマルチシートを敷くことで水分が多くなり過ぎないようにしたり、根が深くまで張り過ぎないように土壌を工夫したりと、環境に合わせてさまざまな対策を行っています。

丁寧に敷き詰められたマルチシート

丁寧に敷き詰められたマルチシート

人にとって適度なストレスは良い刺激になり、活力につながるといいますが、みかんも同じように、甘くておいしいものになるためには、適度なストレスが大事なのです。

みかんの場合は、ちょっと厳しめぐらいが、甘く育てる秘訣のようです。

ニューストップへ