甘みと酸味の秘密
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2018.11.12
10月下旬に西宇和みかんの農園を訪ね、色付きはじめたみかんをいただきました。
いただいたのは早生温州みかんの代表的品種「宮川早生」
みずみずしく、果肉はしっかりしていて弾力がありますが、まだ酸味が強い印象を受けました。
そのことを農家の方に伝えたところ、「良かったです。この時期に甘いと言われたら農家としてはショックなんですよ」と言われました。
不思議に思い、どういった意味か教えていただきました。
みかんは、糖度が高くなれば甘い味、酸度が高くなれば酸っぱい味になります。ところが、糖度が高ければ、おいしいみかんとは限らないそうです。
みかんのおいしさは、甘味・酸味・旨味・苦味などのバランスの上に成り立っていますが、酸味の元になっているクエン酸は、濃厚な味わいにも必要なものでもあります。
糖度が高く甘いだけのみかんは、ぼやけた味になるといいます。
みかんは収穫の時まで糖度が上がり続けるのに対して、酸度は夏頃をピークに少しずつ減っていきます。熟成を始めた段階で甘いと感じるということは、糖にくらべ酸が少ない状態で、味に伸びしろがなく、コクが出にくいみかんになるとのこと。
理想的なのは、成熟期に糖度がしっかりと高くなり、糖度と酸度の比が、甘みとうまみをしっかり感じられる良いバランスになることだそうです。
西宇和のみかん農家の皆さんに、みかん作りで気を付けていることを尋ねると、多くの方が「酸と糖のバランスを大切にしている」と答えられます。
みかんを食べる時は、甘さだけでなく、コクやうまみも意識してみると、よりおいしく感じると思いますのでお試しください。
撮影日 2018年10月下旬