もったいない? 摘果
News
2018.12.3
みかん作りにおける作業の中に、摘果というものがあります。
摘果とは、成長中の実を間引いて摘み取っていく作業で、初夏から秋にかけて行います。
病気や虫に食べられたものを摘み取るのは得心が行きますが、そうでないものも取ってしまいます。消費者である私たちからすると、すごくもったいなく思えますね。
ではなぜ、せっかく育てたみかんを捨ててしまうのでしょうか?
みかんは木の内部で栄養を分配し、成長や果実の形成を行っていきます。そのため果実がたくさんなっていると、一つに分けられる栄養の量は少なくなってしまい、小さくて、あまり味の良くないみかんができてしまうのです。
適切に摘果を行うことで、一つの果実に回る栄養の量が増え、実も大きくなり、味の良いものができるのです。
そして、みかんには隔年結果という、1年おきに実がなりやすい性質があります。もしも実の付くままに全てを育てると、小さい実が増える上に木が力を使い果たして、次の年には実が付きにくくなってしまいます。
農家の方の目標の一つは、毎年安定して質と量のそろったみかんを作ることです。そのためにも、木の負担を減らし、長期の目線でみかんの生育を考える必要があるのです。
摘果の作業では、極端に大きい実や小さい実、病気の実や虫に食べられた実を取り除いていきます。そのため一度で終わりではなく、成長に合わせて行わなければなりません。
期間も長く、とても大変な作業ですが、みかん農家の方々は一つ一つ丁寧に行っています。