伊方共選 菊池俊光さん
News

インタビュー

2018.12.5

西宇和のみかん作りは、脈々と受け継がれている。
農園の細長い独特な石垣を見て、あらためて西宇和のみかん作りの歴史を感じました。

伊方共選 菊池俊光さん

農園の持ち主である、伊方共選に所属する菊池俊光さんが、石垣について教えてくれました。
「西宇和のみかん農家は、それぞれの土地を開墾し、その際に出てきた石を利用して石垣が築かれました。石の種類は土地によって違うため、石垣の形も地域ごとに異なっているのです」

石垣

石垣の独特な姿は、開墾してみかんを作り始めた頃から現在まで、代々受け継がれているのです。

みかんを作り

「石もですが、土の性質も場所によって違います。伊方はどちらかというと粘土質で土の質が良いため、肥料が少なくて済み、水はけも良い環境です。ただ土の深さは浅めで、この辺りは風も吹くため、根をしっかりと張らなければなりません」とも教えてくれました。

伊方共選は四国の西端、日本一長い佐田岬半島の付け根に位置しますが、佐田岬半島の山頂には風力発電の風車もあり、よく風の吹く場所だそうです。

西宇和みかん

菊池さんに、風によるみかんへの影響を尋ねると、「強い風が吹くと、みかんに風傷と呼ばれる傷がつくことがあります。どうしても傷があると避けられがちですが、深刻なものは除いて、傷のあるみかんは自然の中で育った証しだとも言えますよ。海に面した豊かな自然の中で風にさらされると、傷はできやすいのです。多少の傷は気にせず、おいしく食べていただけるとうれしいです」と答えてくれました。

私たちは見た目で選んでしまいますが、西宇和の自然の中でのびのびと育ったみかんは、多少の傷があってもとてもおいしいそうです。

撮影日 2018年10月上旬

ニューストップへ