収穫後から始まる剪定
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2018.12.7
みかんの作業で、とりわけ大変なものといえば収穫ですね。
広い農園のみかんを一つ一つ手作業で摘み取り、何度も運ばなければなりません。収穫が終わって一休み、といきたいところですが、すぐさま剪定(せんてい)の作業が待っているのです。
剪定とは、収穫が終わってから新しく枝が伸びるにつれて、不要な枝や葉を切り落とす作業のことで、木をバランスの良い状態に保つために行います。
枯れた枝は病害虫が発生する原因になり、逆に徒長枝(とちょうし)と呼ばれる発育の良過ぎる枝は、栄養の適切な分配を阻害し、木全体の成長の妨げになります。どちらも放っておくと実の付き方や成長に悪影響を及ぼすのです。
そして葉は多い方が栄養がより多く作られると思われますが、葉が多いと日光に当たらない葉が増え、風通しも悪くなるので、やはり適切な数に整えなければなりません。
このようにみかんの栄養や病気、成長の観点から、剪定は必要な作業なのです。
以前の記事でも紹介しましたが、みかんには年によって実の付き方が変わる、隔年結果があります。剪定も、表年には実が成りすぎないように念入りに行い、裏年には最小限にとどめておきます。安定してみかんを生産するために、農家の方はどの木がどれぐらい実を付けたかなど、木の状態を把握しているのです。
剪定は、樹齢や状態、気候でも異なり、明確な答えのない作業です。そのため、農家の方によって考えが大きく違う難しい作業でもあります。剪定は、おいしいみかんを考える上で欠かせない重要な技術だといえますね。