みかんを守るネット
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2018.12.17
みかん農園を訪れると、段々畑にネットが張られている様子をよく見掛けます。
一見すると、動物よけのネットのようですが、ぐるりと囲うように張っているわけではなく、一定の方角を向いています。どういった目的で、設置されているのでしょうか。
答えから言うと、これは防風ネットと呼ばれるものです。
みかんが、病気にならず伸び伸びと成長するには、日によく当たり、風通しの良い環境が必要ですが、西宇和の海に臨んだ見晴らしの良い段々畑は、時に風が強すぎるのです。
強い風が吹いて木が大きく揺れると、みかんが他の枝や葉にこすれて、風傷と呼ばれる傷がついてしまいます。多少の風傷は味に影響ありませんが、台風や嵐のときには、傷どころか実を落としたり、木そのものを倒してしまうこともあります。
そこで風の強い場所では、ネットを張り、適度な強さの風になるように調整しています。網の目の大きさによって効果も異なるので、農家の方は、その場所の環境に合わせて、ネットの種類や張り方などを工夫しています。
防風ネットのほかにも海沿いの農園などでは、海に向かって防風林と呼ばれる木が植えられている光景を見ることもあります。
農家の方は、工夫をしながら、手間暇掛けて愛情を込めて、みかんを作っています。