自然を生かした段々畑
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2019.1.18
西宇和のみかん畑で、大きな特徴といえば段々畑です。
西宇和での温州みかんの栽培は明治28(1895)年に始まっていますが、少しずつ山を耕し、そこから出る石を積み上げて段々畑をつくっていきました。急峻な山の斜面に畑が作られたため、上の方に登っていくと、西宇和の自然豊かな景色を一目で見渡すことができます。
段差があることで、みかんの木は重なることなくしっかりと太陽に当たることができ、その上、風通しも良くなるため病害虫の影響を受けにくくなります。そして、急斜面は水はけを良くし、みかんを甘くすることに貢献しています。
きれいに整えられた段々畑は、機能面だけでなく、見た目もとても美しい光景です。自然と調和し、自然の恵みを生かすという考えは脈々と受け継がれ、西宇和のみかん作りの基本となっています。
そんな、おいしいみかんを作る上で、大きな役割を担う段々畑ですが、収穫の時は作業が大変です。
みかんの木は、広大な敷地の中で、海沿いから山頂まで分布しています。農園によっては、1年で数トンものみかんを収穫しますが、出荷のためには何度も何度も畑の中を往復します。
収穫は、1年掛けて育ててきた総仕上げとなる、とてもやりがいのある作業ですが、さすがに骨が折れます。
そのため多くの農園が、みかんを運ぶために小型のモノレールを設置しています。
収穫期は、みかん畑の中を縫うように小さなトロッコが動き回り、ちょっとしたアトラクションのようですよ。