温州みかんの歴史
News

温州みかんは、みかんを代表する品種ですが、しばしば「おんしゅう」と誤って読まれることがあります。正しくは「うんしゅう」ですが、最初に見たときは分かりませんね。

読み方も特殊ですが、そもそも、なぜ「温州」と名付けられたのでしょうか。

温州みかんの名前の由来は、日本ではなく、中国にあります。
中国の有名な柑橘の産地である、浙江省の温州市にあやかって、温州みかんと名付けられました。しかし「温州みかん」という名前が定着したのは、明治時代になってからで、それまでは各地でさまざまな名前で呼ばれていました。

温州みかん

由来となった中国の温州市ですが、そこから日本にみかんを直接取り入れたわけではなく、原産地は鹿児島県だといわれています。
日本ではなじみありませんが、実は、海外における温州みかんは、「サツマ(Satsuma)」と呼ばれています。
明治の初めに日本に来ていたアメリカ大使館員の夫人が、みかんの苗を薩摩国(鹿児島県)で購入し、本国へ送ったことが最初とされ、その地名のままサツマと呼ばれているそうです。
日本では直接の関係がない中国の地名で呼ばれ、海外では原産地である日本の地名で呼ばれる。なんとも不思議ですね。

愛媛県の温州みかんは、宇和島市吉田町立間の加賀山次郎氏が、寛政6年(1794年)に、土佐からの苗木を1本導入したことに始まります。そこからおよそ100年後の明治28年(1895年)、西宇和の地で温州みかんの栽培が始まりました。昔から続く歴史を考えると、名前や味に感慨深いものがありますね。

ニューストップへ