種のない温州みかん
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「まかぬ種は生えぬ」ということわざがあるように、植物を育てるためには、まず種をまくというイメージがありますね。逆に言えば、種をまけば実はできるということでもあり、皆さんの中にも、果物を食べた後の種を植えようかと考えた方がいるかもしれません。

しかし、みかんを食べる時を思い出してみてください。温州みかんは、一部のものを除き、種がありませんね。
種がないみかんは一体どのようにして育てられるのでしょうか?

種のない温州みかん

温州みかんは「つぎ木」という方法で育てられています。
つぎ木とは、今育っているみかんの木から良い枝を切り取り、それを土台となる木にくっ付けるというものです。これにより、根となる木の水や栄養をよく吸い上げられるといった特徴と、長年改良されてきたみかんの良い性質の、両方を受け継ぐことができるのです。リンゴや桜の木も、同様の方法で育てられています。

西宇和みかん

もちろん、種ができる果実などは、種から育てる栽培方法もありますが、収穫まで長い時間がかかる上、成長するまで結果が分からず、品種が変わったり、品質が安定しなかったりと、難しい問題があります。

一方で、つぎ木には繊細な作業が要求されるため、農家の方の相応の技術や丁寧な管理も必要になります。
西宇和の土地が何代にもわたって、温州みかんを育ててこられたのも、農家の方の技術があってのものですね。

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