三瓶共選 宇都宮俊彦さん
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2019.12.4
三瓶(みかめ)共選の宇都宮俊彦さんを取材しました。
三瓶は内陸へと入り組んだ湾に面した、すがすがしく、日当たりの良い場所に位置しています。9月の上旬に訪れた宇都宮さんの農園は、みかんがゆったりと植えられ、青々とした葉と太陽を反射するマルチシートの白色が美しいコントラストをなしていました。
三瓶共選では、早生みかんや紅まどんなから、年明けの伊予柑、デコポン、清見、甘平などの中晩柑、そして初夏のニューサマーオレンジまで、ロングランでたくさんの品種のかんきつが出荷されているそうです。
宇都宮さんに、西宇和みかんの良さについて教えてもらいました。
「みかんは糖度と酸度が同じでも、味は同じではありません。コクやうまみ、みずみずしさ、食感など、全てが関わって一つの味わいをつくっています。西宇和みかんの大きな特徴はじょうのうの薄さです。口当たりがよく、まろやかなみかんをぜひ味わってほしいです」
西宇和の空・海・石垣の3つの太陽に加え、マルチシートをしっかりと敷くことで、高い品質のみかんが作られています。
「良いみかんは、皮がツルツルでピンと張り、陶器のような感じですよ」と語る笑顔が印象的でした。
宇都宮さんの農園には、全体にふかふかとした草が生えていました。不思議に思い尋ねてみると、
「これはナギナタガヤと呼ばれる草です。5月の下旬頃から自然に倒れる性質があり、余計な雑草が生えるのを防いでくれるのです。それだけでなく、土の状態も改善してくれるなど、農業にとっていいことがたくさんあります」と、話してくれました。
見た目も牧草のようで、なんだか和やかな気持ちになりました。
畑に敷き詰められているナギナタガヤ
最後にみかん作りの思いを話していただきました。
「自然が相手なので、工業製品のように同じものを作るというわけにはいきませんが、全ての作業を通して、毎年過不足なく、安定した品質のみかんを届けることが大事です。味はもちろん、産地と市場が密に協力し、消費者の皆さまの信頼を守れるように努力しています」
ゆったりとした農園。左上は、育成中の若木の畑。
熱心に話してくれた宇都宮さんから、育てているみかんへの自信と誇り、そして責任を強く感じました。
これから約半年にわたって出荷されるみかんやかんきつが楽しみです!
取材日 2019年9月上旬