八協共選 松井博史さん
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2020.9.3
8月上旬、大島でみかん作りを行う松井博史さんにお話を伺いました。
松井さんは20年ほど前に、大島でみかん農業を始めたそうです。
松井さんの農園は、港から後方の山にあります。
港町の情緒あふれる家々の間を通って農園へ向かいますが、島ということもあり、車が通れる農道はありません。
「多くの農園ではトラックでみかんを運びますが、大島ではモノレールを利用してみかんを運びます」
松井さんによると、作業も一つ一つ手作業で行うそうです。昔ながらのみかん作りの様子が残っています。
山の中腹にある農園に登ってみると、素晴らしい眺望が開けていました。大島全体の姿に、佐田岬半島の様子も一望できます。
「大島は5つの島からなっています。中央の島の間には橋がかかっていますが、この橋が観光客の方からも特に人気がありますね」
冬場の晴れた日には、ずっと遠くまで鮮明に見えるそうです。
今年のみかんの生育について尋ねると、「昨年と比べると、晴れの日が多くて良い状態です。昨年は夏が短く、雨が多かったので、糖度の管理が大変でした」
みかんを育てる上で糖度が大切と話す松井さん。
取材した8月上旬は、除草や防除の作業を行っており、商品にならない実を落とす摘果の作業は、もう少し後にするといいます。
その理由について尋ねると、次のように教えてくれました。
「実を付けたままにして、あえて木に負担をかけることで、糖度の高いみかんを作っています。この農園の場所は、海からの風の影響を受けにくい反面、他の良い土地と比べると、少し太陽に当たりづらくもあります。そこで糖度をしっかり上げるために、マルチシートなどに加えて摘果を遅らせるなど、独自の工夫を行っています。島のみかんは生産量も限られているため、少しでも質の良いものを作りたいんですよ」
おいしいと評判の大島のみかん。そこには島という環境に合わせた、農家の方の工夫があります。