[対談]なぜ、みかんがいいのか? その①
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2020.12.8

「働くひとの西宇和みかん」「家で働くひとの西宇和みかん」を栄養士の視点から監修している笠井奈津子さんに、西宇和農業協同組合青果販売部の朝井伸がお話を伺いました。

対談

朝井:栄養士という視点から見た時、みかんの良さとは何でしょうか?

笠井:やはり何といっても栄養ですね。皆さんもイメージがあると思いますが、みかんはビタミンCが豊富です。ビタミンCは、ストレスを軽減し免疫力を高めてくれます。その他にも、生活習慣病の予防や美容にもうれしい効果が期待できるんです。

朝井:なるほど。健康などに良い効果が期待できるということですか。寒くなり体調の崩しやすい冬には、ぜひたくさんみかんを食べていただきたいですね。

笠井:今だからこそ、積極的にみかんを食べたいところです。そして、みかんのしっかりとした「重量感」も、食事の量を調整するためにはとても重要です。例えばいくらカロリーが高い食べ物でも、10gしかなければ、あまり食べた気がしません。みかんは大きな果物ではありませんが、持ってみるとずっしりとした重さがありますよね。このような食べ応えがあることで、だらだらと食べるのを防ぐことができるのです。

朝井:健康的な食事という視点では、栄養だけでなく、食べる時の満足感も考える必要があるんですね。

笠井:満足感は、食事で欠かせないものです。みかんは栄養や満足感がありながら、その割にはカロリーが低いんですよ。食べ物で比較してみると、ポテトチップス一袋のカロリーは、小さめのみかんだと17.5個分にもなります。ポテトチップスは、つい1人で1袋全部食べてしまうこともあると思いますが、みかんの場合、そこまで食べることはまずないでしょう。

笠井奈津子さん

朝井:食べ過ぎたと思っても、17個は私もありません(笑)。だとすると、毎日適度な量のみかんを食べても太るとは考えにくいですね。ですが、やはりカロリーを気にされる方は多くないでしょうか。

笠井:そうですね。カロリーを気にする方は多いのですが、近年は、糖質をオフにしようと考える方が増えていますね。果物は糖分が多いから食べない、ということも聞きますが、糖は本来人間の活動に欠かせないエネルギーです。不足すると疲れやすくなったり、集中力が続かなくなったりするなどの問題も起きてしまいます。

朝井:減らせば良いというものではないんですね。

笠井:そうなんです。さらに「炭水化物を抜いたから、お菓子を食べてもいいや」と考える方もいますが、これだと栄養が偏り、脂質も取りすぎてしまいます。糖質はオフにするのではなく、良いものにチェンジすることが大切です。食事のバランスを整えつつ、おなかがすいた時は、みかんで良質な糖分やビタミンを摂取する。ダイエットを考えている時こそ、みかんが良いと考えています。

朝井:何事もバランスが肝心ですね。みかんが皆さんの食生活に貢献できると、産地の者として大変うれしいです。

朝井伸

笠井:食生活を改善するためにも、みかんはお勧めの食べ物です。その理由は、酸味があることです。私たちの食の好みは変わり、甘いものや塩辛いものはよく食べますが、酸味のある食べ物を取る機会は少なくなっていると感じます。ですが酸味は、五味の一つです。いつも同じ味ばかり食べるのではなく、味に変化があることで、食が豊かになります。

朝井:酸味も大事な味わいですね。私たちもみかんの味を考える上で、糖度と酸度のバランスは特に気にかけています。単純に糖度が高いだけでは、味にコクが生まれないのです。みかんを食べていただく際は、ぜひ酸味にも注目してほしいですね。

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