西宇和の清見タンゴール
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愛媛県の西部、西宇和の各地には共選(共同選果場)があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
みかんの生産が盛んな共選もあれば、年明けからの中晩柑(ちゅうばんかん)が中心の共選もあります。
現在旬を迎えている清見タンゴールで有名な共選が、三崎共選です。

三崎共選

三崎共選は、全長50km以上にもなる日本一長い半島「佐田岬半島」に位置しています。
市場では「清見といえば三崎」と高い評価をいただけていますが、なぜ佐田岬で、清見の生産が盛んなのでしょうか?
そこには歴史があります。

佐田岬半島

昔、この地域では甘夏柑が中心に作られていました。
清見は、ある農家の方が個人的な関心から苗を取り寄せたことで導入されたそうです。
その当時、産地の将来に向けて新しい品種を模索している中で、清見も検討されることになりました。
しかし、最初は育て方が分からず、年を越さないように早く収穫してしまったために、味が思わしくないと評価されてしまいます。
それでも諦められなかった農家の方が試行錯誤を重ね、あるとき偶然収穫を忘れてしまった清見を春先に食べてみると、絶品だと判明しました。

清見タンゴール

これによって清見の本格的な栽培が始まりました。
佐田岬は風が強い一方で、雪や霜が少ないという強みがありますが、年を越しての生育になるため、寒さや鳥から実を守る必要があり、とても労力がかかります。
写真のように、一つ一つ袋がけを行って、丁寧に育てています。
おいしい清見の生産も、農家の方の努力に支えられています。

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