日本農業遺産になったかんきつ作り
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2022.5.19
四国の最西端。
温暖で穏やかな海に面したこの地域では、独自のみかん作りを行ってきました。
そんな西宇和を含む愛媛県の南部は、「愛媛・南予の柑橘農業システム」として、日本農業遺産に登録されています。
生産や景観、生物の多様性など、この地域のかんきつを語る上で欠かせないのが段々畑です。
元々は山だった場所を切り開き、少しずつ石を積み上げることでできたのが、現在のような壮大な段々畑。
この特殊な地形は、生育にとても良い効果をもたらしてくれます。
傾斜の急な高い場所にある農園は、3つの太陽と呼ばれる「空からの太陽」「海から反射する太陽」「石垣から反射する太陽」にしっかりと当たります。
さらに、余分な水がたまらず、適度な乾燥状態を作ることがみかんを甘くします。
西宇和ではかんきつの生産だけでなく、加工品も豊富です。
定番のジュースやゼリーに、いろいろなかんきつを使ったマーマレード、みかんの花の蜜で作られた蜂蜜もあります。
そして、なんといっても地域に根付いた文化です。
例えば西宇和では同志会という農家の方の集まりがあります。
情報や知識、技術を共有し、より良いかんきつ作りを目指す地域の強いつながりが、一大産地を支える礎になっています。
生産体制や気候など、かんきつを取り巻く環境は変わっています。
良いところを残しつつも、時代に合った新しい取り組みを進め、これからも皆さんにおいしいかんきつをお届けします。