なぜみかんを落とす?
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みかんを育てるにはいろいろな作業があります。
中でも定期的に行う重要な作業が、実をを落とす摘果(てきか)と呼ばれる作業です。
しかし、なぜわざわざ実を落とすのでしょうか?

摘果(てきか)

せっかく手をかけて、実をつけたものですから、全部育てたいところです。
しかしそうすると、一つ一つの実にあげられる栄養が減ってしまうのです。

例えば、木全体の持つ栄養を100としたとき、実の数が10個であれば、一つ当たりに10の栄養を与えられますね。
一方で、実の数が倍の20個になれば、一つ当たりの栄養は5になります。
さらに、木自体も栄養を必要とするため、あまりに実をつけすぎると、木にも負担になってしまいます。

極めて単純な例えですが、とてもたくさんの実をつけるみかんだからこそ、おいしくするには、良い生育環境に加えて、どのくらいの実をつけるか、数の管理が大切です。

たくさんの実をつけるみかん

また、人の手で落とすだけでなく、気温や日照の状況によって、木が自然と実を落とす生理落果(せいりらっか)という現象もあります。
もしも、一度に摘果をしすぎると、最後になって「落としすぎた」なんてことにもなりかねません。
みかんの木がうまく栄養を分けられるように、生育の様子を見ながら時間をかけて整えて、品質を洗練していく。
一つ一つ、みかんへの心配りが求められる作業ですね。

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