冬・春を彩る、中晩柑の秘密
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みかんの旬が過ぎた後も、食卓を彩るたくさんのかんきつがあります。
それが年明けから春にかけて出荷される「中晩柑(ちゅうばんかん)」です。
西宇和では、いよかん、デコポン、清見など、みかんと並ぶ名物の品種があります。

飛び出したヘタが特長的で、西宇和の名物の1つデコポン

本格的な冬の前に多くの収穫を終えるみかんとは違い、中晩柑は一手間かかります。
一体どのようにして育てられ、収穫されるのでしょうか。

みかんの生育と大きく違うのは、袋掛けの作業があることです。

2重に袋がかぶせられたかんきつのせとか

冬を越すということは、雪や寒さを乗り越える必要がありますね。
ですがかんきつは基本的に温暖な環境が理想で、寒さには強くありません。
そこで1つ1つに袋を掛けて、しっかりと守ります。
例えば、皮がとても薄くて寒さに弱い「せとか」などは、紙を2重にかぶせることもあるそうです。

また、よく使われているのは伸縮性のあるナイロン生地の袋です。

寒さから守るためにナイロン生地の袋がかぶせられた清見

実をぴったりと覆い、寒さはもちろん、鳥からもしっかり守ってくれます。
再利用も可能で、毎年洗濯して使用する農家の方もいるそうです。環境にも優しい取り組みですね。

中晩柑の収穫はみかんと同じく、もしくはそれ以上に大変な作業です。
かんきつの収穫というと、実を引っ張って取るイメージがあるかもしれませんが、実際にはハサミを使って収穫します。
そして切ったときに、ヘタの部分の枝が長く残っていると、他のかんきつにぶつかって傷つけることがあります。
そのため最初に枝から切りとり、その後ヘタの部分が短くなるように丁寧に切ります。

収穫では枝から切る作業があり、他のかんきつを傷つけないように行う

つまり収穫では、1つにつき2度切ることが欠かせません。
もちろん袋掛けをしていれば、まずは袋を外すところから。
一手間も二手間もかかる中晩柑ですが、その分味わいも奥深く、個性的でおいしい品種がたくさんあります。

袋掛けが行われたたくさんの中晩柑

みかんのシーズンが終わっても、多種多様なかんきつを楽しめるのは、農家の方の努力があってのものですね。

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