備えが大切なみかんの生育
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2024.9.11
愛媛県の西部、西宇和は日本一細長い半島・佐田岬のある海に面した地域で、近隣はリアス式海岸になっています。
この地理的特徴が、みかんの生育に特別な環境をもたらしています。
海に面した農園では、空からの太陽光だけでなく海面からの反射光もあり、みかんの木はたっぷりと日光を浴びることができます。
西宇和のみかんの甘さと豊かな風味の秘訣ですが、一方で海に近いことによる問題もあります。
それは風です。
海上には遮るものがないため、太陽光の反射だけでなく、時折強い風も吹いてきます。
農園の写真を紹介しますが、見て真っ先に目につくのは青色の防風ネットですね。
細かいことのようですが、しっかりと防風対策が行われています。
それだけでなく、みかんの木以外にも、少し大きな木が農園を守るように並んでいるのが見えます。
これは防風林と呼ばれるもので、風を弱めてくれる上に、海水による塩害(えんがい)の被害も防いでくれます。
実は塩分は農作物の大敵で、木をダメにしてしまうことがあります。
特に台風接近時には、農家の方々は特に警戒を強めます。
塩害の危険が迫れば、すぐにスプリンクラーを作動させ、塩を洗い流すそうです。
みかんの生育以外にも気に掛けることが多く、収穫まで気が休まりませんね。
みかんを育てるのは一筋縄ではいきません。
西宇和のおいしいみかんは、恵まれた自然環境だけでなく、それを守り育てる農家の方々の情熱によって支えられています。
こうした自然環境のため、時には風によって枝や葉、実が擦れ合い、みかんに小さな傷がつくこともあります。
しかし、実際の味わいには影響はなく、むしろみかんがのびのびと育った証しともいえるかもしれませんね。